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正直に言いましょう。クッソ大変です


いやー、昨晩は雪が降って寒かったのに夜中の12時すぎにアパートの火災報知器がなって、全員避難という災難に見舞われました。ここで一句。「風呂上がり 雪空に放り出され 湯冷めする」あれ、字余り。まぁいいです。とにかく寒くなりました。


さて本題。色々調べて色々問い合わせして、本当に大変だったのでこれからアメリカから日本へ猫を連れて帰る人のために手順を書き残しておきたいと思います。(これ、犬もたぶんほとんど一緒です)

まず、1番大切なことは 手続き開始から帰国日まで最低8ヶ月かかるということです!


① マイクロチップ
こちら日本で読み取り可能なものじゃなきゃいけません。昔から飼っている猫の場合、まずこれのチェックから。国際標準規格(ISO)11784か11785っていう15桁のじゃなきゃいけないんです。私の猫はシェルターから引き取ってきた老猫だったので、もうISOのじゃないAvid社のマイクロチップ入ってました。まさか入れ直しかと。Avid社でどんなリーダーで読めるのか、と成田空港がAvid社のも読み取れるリーダーを持っているのかを問い合わせて、合致。ステップ1クリアです。成田空港はいくつかISOじゃないチップも読めるリーダーを持っているので、確認してください。ちなみに私はアメリカの空港でマイクロチップの情報の紙を見せろと言われましたので、これもちゃんと用意しておいた方がいいです。


② 狂犬病ワクチン第1回目
毎年しっかり打っている人はここはクリアです。打ってなかった人はここからスタート。ワクチンもですね、「不活性化ワクチン(Inactivated / Killed virus)」か「組み換え型(Recombinant / Modified)」じゃないとこれ、アウトです。Liveワクチンだとダメ。もしこの2つじゃないのを打っていたら一回目からやり直しです。
あ、あと大事なのが、このワクチンを打つ獣医さんはAPHISからの資格を持ってる先生じゃないといけません。Certificateもらってください。日にち、ワクチン名、先生のサイン入りで。これ打ってもらう前に確認してください。


③ 狂犬病ワクチン第2回目
第1回目から30日経ってから2回目を打てます。種類などは、上と同じです。私の場合は、このワクチンが帰国前に切れてしまったため、まだ2回目が有効なうちに3回目を打ちました。はぁ。


④ 狂犬病抗体検査の採血(2回目のワクチンと同じ日でもOK!)
はい、これがクセ者です。まず日本の農林水産大臣が指定する検査施設で受けなきゃいけません。アメリカではカンザス州立大学かテキサスの米陸軍施設しかないです。カンザス行くの?テキサス行くの?と思いましたが、ご安心を。獣医さんがカンザスへ血液サンプルを送ってくれます。これは、ちゃんと獣医さんと確認してくださいね。この血液検査、だいたい400ドルくらいしました。ひょえ〜。

さぁ、ここからやっと180日のカウントが始まります。半年です。もしこの期間中に日本に帰っちゃうと空港で180日が終わるまで猫ちゃんは足止めで、毎日3000円かなんかの滞在料払わなきゃいけません。成田に毎日会いにいけないでしょ〜。この180日は大事です。

血液検査の結果は抗体価が0.5IU/ml以上でないといけません。


⑤ 空港へ「輸入の届出書」を提出(⑥も同時進行!)
これもクセ者!到着の40日前までに提出しなきゃいけないのです。もちろん180日から逆算して、それに合わせて飛行機のチケットを取らなきゃけません。空港に提出する届出書に予約済みのチケットの到着日と便名を書かなきゃいけないからです。(⑥に詳細)これを提出すると、空港から許可書と受理番号が送られてきます。この番号をこれから準備していく必要書類に書き込んでいきます。私の場合は、成田空港の動物検疫の方々がとっても親切でこれまでの書類を全部メールで送ってくれたらちゃんとチェックすると言ってくれて見てくれました。


⑥ 航空会社に連絡
⑤と同時に飛行機の手配。飛行機には動物を載せられる数が決まっているので、まず動物のスペースを確保しなくてはいけません。私はいろいろと心配だったので、日本の飛行機がいいなと思ってANAにしました。ANAは3匹まで載せられるそうです。当日は私の猫だけだったみたいです。国際線は悲しいことに貨物スペースの動物専用の場所に行ってしまいます。客室と同じように温度コントロールされているそうですが、どんなところなのか全くわかんないので、なんだか気の毒で、私は飛行機に乗っている間一睡もできませんでした。

⑦ 書類Form Aを書く
ここまででForm Aを埋めることができます。受理番号、マイクロチップ情報、ワクチンの情報と血液検査の数字などを書き込みます。これも事前に送ると、成田空港がチェックしてくれますよ。

これまで集めた書類は......
- マイクロチップ情報
- 全てのワクチンのCertificate(獣医さんのサイン入り)
- 狂犬病抗体検査の結果表(これ大事)
- 受理番号と許可書
- Form A(自分で埋めていいです)
次ココ!
- Form Cと健康診断Certificate



⑧ 帰国直前健康診断
推奨されているのは出国の2、3日前までって書いてありますが、これは無理です。このあと⑨もありますから。成田空港に聞いたら10日前まで大丈夫と言われました。最後に獣医さんに行って健康診断をして獣医さんにForm Cを書いてもらいます。これで獣医さんとの8ヶ月に及ぶ関係は終わりです。最後にマイクロチップがズレてないか、最後に読み取ってもらいましょう。


⑨ 輸出国政府機関の裏書き証明(Endorsement)をもらいに行く
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これまで揃えた書類に裏書きをもらいにいくんですが、これですよ。最後の難関。この政府機関てのは州都にあるんです。州都って結構遠いでしょ。ワシントン州はシアトルではなくてオリンピア。車で2時間です。面倒臭い。例えばカルフォルニア州なんて、サクラメントです。ロスに住んでたらもう飛行機でしかいけません。そういう場合は郵送も可です。でも健康診断を出発の10日前に終わらせて、書類をすべて郵送して、裏書きされたのを郵送でまた送ってもらわなきゃいけません。ギリッギリで震えますよね。私は怖かったので大雨の中運転して行きました。裏書き自体はちゃんと書類が揃っていれば5分くらいで終わります。
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(こうしてオバマさんの顔を見られるのもあと少し。)

終わり!これをまた一切合切成田空港にメールで送って確認してもらって、オッケーでした。そしていよいよ当日ですが、ストレスで私がゲロ吐きそうでした。たくさんの人でごった返す空港で猫をケージから出して抱っこしなきゃいけなかったのは勘弁してほしかったです。手荷物検査の前でもう猫とはサヨウナラです。成田まで会えません。

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(飛行機はポップだったのに、私はゲロりそうなほど心配していました。)

成田までは一睡もできませんでした。この飛行機のどこかで10時間以上おびえているのかなって思ったらかわいそうで、わたしの都合でアメリカ生まれアメリカ育ちのおばあさん猫をこんな長旅させてしまったという罪悪感は半端なかったです。

でも成田で再会した我が猫は意外と元気でキョロキョロしてました。私を見て安心してたようです。成田の獣医さんに書類をチェックしてもらって、体のチェックをして、入国オッケーでました。ホッ。



動物と日本に帰るのは本当本当に長いプロセスで、飛行機は生き地獄のような気持ちです。同じ工程と気持ちを経験した者として、何かご質問ありましたら何でもわかる範囲で答えますので、いつでもご連絡ください。コメントはあまり見ていないので、メール(ryoko@ilovecoffee.jp)ください。がんばって!


以上。書いてても疲れた。